
始まりのこと
ポリアンナは1981年、山梨県西北端 八ヶ岳南麓高原・小淵沢では初めてのペンションとして開業した。我々夫婦が37歳の夏、息子と娘が小学4年生と1年生、それぞれが新天地での緊張感溢れるデビューとなった。
その頃は未だ中央自動車道も開通しておらず、道も電気も水道もない状況での着工だった。毎週、工事の進捗状況をみながら旅館業の営業許可証の取得など諸々の準備を進めるために東京~小淵沢間を往復した。当時この村では上水道の設置には申請手続きから半年~1年経ってもらちがあかないほど移住者に対しての理解が乏しく、結局公営上水道は断念し、井戸を掘り貯水槽などの自家用上水道設備を設置したが、保健所が示す営業用の水質基準は厳しく、定期的にその条件をクリアーする作業は大変な重荷となった。新天地での新参者がもつ諸々の障害を引きずったまま開業にこぎつけると来る日もくるひも千客万来、殺人的な忙しさだったが、この休む暇もない繁忙こそが大きなローンを背負った創業者にとってはまたとない癒しとなった。そんな状況であっても傍目には「のんきなカントリーライフ」と映ったのか、次からつぎへと新規参入者が続き、一時はこの村だけでも30余軒の同業者を数えた。一業十年とか十五年とか言われる当節のこと、バブル崩壊と期を前後して業界も成長期を終え、御多分に洩れずサバイバルの波に飲み込まれたが、その都度変身脱皮を繰り返しながら今日を迎えている。顧みれば、この業界の草創期から成熟期への恵まれた日々を全力で駆け抜けることができたことは偏に多くのお客様のご愛顧の賜物にほかならない。創業30年を経た今「ポリアンナは旅の一夜の宿としてよりも、四季折々に帰る八ヶ岳の家でありたい」との思いを新に更なる発展を期している。
食事のこと 基本的には洋食のコース料理だが、たくさんのご常連の方々の繰り返しの利用に堪える食事を目指し、スイーツ茶葉珈琲豆に至るまで、こだわりを持ちながら日頃の研鑽に怠りない。
設備などのこと 木造2階建の母屋と、他に二棟の小さなコテージからなる宿泊三棟とカフェなどが点在する。「槌音のしない宿屋は繁盛しない」という古来よりの言葉を肝に銘じて常に改装を心がけている。開業20周年を期に、別棟のメインダイニングルーム(Cottonweed)を建設し(2000年)、息子夫婦に任せ、 永年の夢だったダイニングルームの母屋からの分離を果たした。Cafe Restaurantとして宿泊者以外にも開放している。
2006年の春には母屋の客室数を半減し、一室あたりの面積を倍増するための改装工事を終えた。母屋はツインルームが4部屋だけとなり、少人数に限られたゆとりの空間となった。
庭園のこと アプローチ周辺の唐松林から始まるポリアンナの庭は母屋をとりまく芝地から雑木林の西庭へと広がるナチュラルガーデンとなっている。(通称:マグノリアの森)庭内には宿根草から花木に至るまで数え切れない種類の花々が四季を彩り訪れる人の癒しとなっている。このウエブページでもその一端を紹介しているが、この地に自生する野草や樹々などを大切にしながら湧水や沼沢を利用しているため殆どの部分がシェードガーデンとなっている。人工的な構造物を配した庭園とは一線を画した庭作りを心がけている。